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遍歴 その4

その後、2年ほどご多分にもれず、クロスオーバー周波数、レベル、位相の正逆調整、各ユニット用パワーアンプ、プリアンプ、果てはRCA、スピーカケーブルの交換まで実によく働いた。

ソフトもこの2年ほどでCDが400枚くらいになっていた。

CD屋をあちこち覗くうち、未だに結構LPが置いてあるのが気になりだした。
何とかLPも聴きたい。
それもあのブルーノートを聞いてみたい。

ある日、商業雑居ビルの地下に小さな中古LP屋をみつけた。
香港では結構珍しいらしい。
あれこれ探していると、ついにブルーノート1500番台のオリジナル版を見つけた。
ナンバー1593番、「BLUES WALK LOU DONALDSON」であった。
他の中古と同じ値段だった。
角はこすれて、相当傷んだジャケットだったがレコード自体はまともだった。

またまた、後先考えずに買ってしまった。
いや、このときばかりは後のことも考えていたようだ。
「LPを聴こう」、と・・・・

LPプレーヤ探しが始まった。

こんな時はウーさんの出番である。

さすがに「えっ、LPプレーヤ?、何でまた?」と、いぶかしげに言われたが
向こうも商売であるから「あたってみましょう」と探してくれた。

1週間ほどたった日、ウーさんから電話。
「ガラードの301」に「SMEの3012R」が付いている、自作箱LPプルーヤが見つかったらしい。
その夜、早速ウーさんの店に顔を出すとなかなか良いではないか。
しかし、ロングアームの3012用だけに結構大柄だ。


えーい、何とかなるだろう、「これ頂きます」と持ち帰ることになった。
荷造りしながら、ウーさん「カートリッジあるの?」と聞かれて、慌ててしまった。
「いや、持ってない」、「どうするの?」「何かない?」「オルトフォンのSPU GTあるけど」
「うん、じゃー一緒に」となってしまった。
背広を買う時、一緒にワイシャツ、ネクタイを買うと結構良く合わせられる。
その要領でセットで揃えると、なかなかよさそうな塩梅である。

帰宅すると、女房殿に「今度は何を買ってきたの?」と怪訝な顔をされた。
覚悟の上であるから、すんなり「レコードプレーヤ」と、さらりと言う。
「あっそう。物好きね」と、つれないお言葉。
もう完全にお手上げ、あきれられているのであろう。

食事の時間ももどかしく、そそくさと我が部屋へ。

とりあえず机の上にセットし3012から付属のRCAケーブルでC40のPHONO入力(なつかしい響き)へ結線。
あのブルーノート1593番を慎重にジャケットから取り出す。
LPなんてレコード全盛時代もあまり扱ったことはない。
まして、LPプレーヤはガラード301、トーンアームはSMEである。
付属の取り説と昔の記憶を頼りに、ゼロバランス、オーバーハング、アンチスケーティング、針圧、等等を調整した。

そして針を恐る恐る降ろす、昔の記憶が蘇ってくる。

そして・・・・・・
「感動もの」である。
何と厚みのある深深とした音だろう。
埃やスクラッチによるノイズなんてくそ食らえってなモンだ。
そういえば、昔聞いたレコードなんて、ソノシートか45回転のEPをステレオセットに付属の
ナガオカの交換針の付いたMMカートリッジで聞いたことしかなかったっけ。

まともなLPプレーヤとアームで聞くまともなLPの初体験であった。
新たなAUDIOの世界が広がった。
良いのか、悪いのか・・・・・・知らないが、のめり込みそう、いや、もうのめりこんでいる自分が
そこにいた。

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それからは、CDそっちのけでLPを買いあさった。
ブルノートのオリジナルは見つけるのが不可能だったが、復刻版があっちこっちから出ていた。
プレステッジ、ヴァーヴ、インパルス、パブロといったレーベルは結構中古屋で手に入った。

気が付いたらCDは400枚のまま、LPは600枚ほどに増えていた。

LP主体になると音作り(というほどではないが)が変ってきた。
アンプ類は真空管式となり、それらも気に入らなくなり自作を始める始末であった。

以下にその足跡を記す。

プリアンプ 
C40→カウンターポイント→中国製(現オーディオスペースの前身)→SA5000→マランツ7T→マランツ7

パワーアンプ
ツイーター用 A20→McIntosh MC225→WE205D自作
ドライバ用   No.27→McIntosh MC240→WE300Bシングル自作
ウーファー用 No.27→McIntosh MC275→WE300Bp-p自作

自作を始めたきっかけは、近所に住むMさんという日本人の影響であった。
このMさんのスピーカは
TA4181、594+ウエスタン復刻(エルタス製)ホーンというガチンコのウエスタン派で
自作のネットワーク、自作の励磁型スピーカ用電源をこれまた自作のプリアンプ、パワーアンプで鳴らしておられた。そのパワーアンプがWE205Dという2Wにも満たないアンプであった。
300Bより厚みがあり、すばらしい音であった。

本格的AUDIOを趣味として始めてわずか2~3年、それまで詰め込んできた耳学問と僅かばかりの知識でここまで突っ走ってきた。
自分でも信じられない時間であった。

遍歴1 おわり
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by jbl375jp | 2006-01-03 17:07