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続・遍歴

2005年の暮れ

6年ほど遠ざかっていたAUDIOだが、多忙を極めていた仕事のほうも一段落し、心と時間の余裕が出てきた頃。悪い奴との出会いから、またその道に引きずり込まれて行く。

そいつの名は香港人のS君。
会社のパートナー、V君が雇った、セールスマネージャーである。

バリバリの現代HiFi派だ。
ウイルソン・ベネッシュのスピーカ、プリはNAGRA、ゴールドムンドのパワーそしてCDプレーヤはメトロノームだそうな。
昼休みやティータイム(いまだに英国風の習慣がある)に彼の自慢話を聞いてるうちに凍結していたAUDIOのことが徐々に解凍し始めた。

「昔、結構ハマっていたんだ」
「いまは?」
「何もしてないし、もう手元に何も残っていない」
「またやったら、どうです?」
「そうだな~」
ってな調子でついつい話に乗ってしまった。

「今晩、ショップを覗きに行きませんか?」
「そうだな、覗くだけ」
さっそく二人してタクシーでモンコックという繁華街へ。

S君が案内してくれたのは「モンコック・オーディオ・センター」という香港でも老舗の大型ショップであった。
あれ?見覚えのある店だった。
確かAV中心の店だが奥にHiFiコーナーがあった。
階段を上がっていくと、やはり。 ハマっていた頃ちょくちょく顔を出した店だった。

HiFiコーナーへ直行した。
B&Wの801が鳴っていた。何故かアンプはUNISONのEL34シングルアンプ。
ひどい音だ。
まったくスピーカを駆動していない。
「ひどい音ですね」
このS君、さすがに耳は相当良い。

ん~?あれは??
B&Wの横にKLIPSCHのホーンスピーカがあるではないか?
KLIPSCH HORNという大型のホーンスピーカを作っていたアメリカのメーカだ。
まだあったんだKLIPSCHって。

30cmコーンウーファーに1インチだろう、コンプレッションドライバにラジアルホーン、ツイーターもホーン型の3ウエイだ。大きさも手頃だ。
ちょうどJBLのランサー101みたいで、ちょっとカッコよい。
こういうなんとも古臭い長方形のスピーカが昔から好きだった。

早速、視聴。
なつかしい音がする。S君には新鮮な音のようだ、目を白黒させている。
「これいいな」
「きつい音ですね」
「そこがいいんだよ」
「へ~、そんなもんですか?」

S君、「幾らか」と、店員に聞いていた。
デッドストックらしく、定価から30%引くらしい。悪くない。
香港では値切らないと損だ。
もう10%引いて、スピーカスタンドを付けたら買ってもよいという風なことを言う。
絶対に買う気を見せてはだめだ。足元を見られる。
それと、日本人は交渉してはいけない。
香港人に任せるに限る。
でもその条件は相当厳しそうだ。
こういうときは一旦引いてみる。「じゃーやめた。帰ろう」と演技をする。
「ボスに聞いてみます」店員はやる気だ。
店員はボスに聞きに言った。
「30%引いて、スタンド(これもスピーカの15%くらいの値札が付いている)をつけます」と、店員は意気揚々と言った。
「もう10%は引かないの?」「勘弁してください」、しょうがないか、と思った瞬間、「じゃ~やっぱり帰りましょう」とS君、すたすたと出口へ。残念だな~と思いつつも彼に続いた。

「まだ、脈がありますよ」とS君。TEL番号を店員に渡して出てきたという。
何という香港人の粘り。とても日本人には真似ができない。

次の日、商談で外出していたS君からTELが入った。
「やりましたよ!40%引き+スタンド付です、OKしますよ」
「うん、よろしく!」何のことはない、買ってしまった。
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by jbl375jp | 2006-03-06 18:23