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6550ppアンプ改造顛末記


旧正月を挟んで約一ヶ月、久しぶりに球アンプを目一杯いじった。
自作していたころを想い出し、楽しい時間であった。

その顛末は・・・


当地の電気街のスーパーマーケットの様な店から買ってきた、中国製のKT88ppアンプ・・・

SHUGUANGブランド、型名SG30-2、あの真空管製造で有名な「曙光」製だ。

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威風堂々の容姿とウソみたいな価格に、思わず飛びついた。




喜び勇んで、スピーカにつなぎ、出した音は・・・・


太く、芯のシッカリした見事な音だった。



・・・・・・・・と、思ったのもつかの間、ブ~ンというノイズと共に、片チャンネルのKT88が
見る見る赤くなった。


慌てて、電源を切る間もなく、ヒューズが飛んでしまった。




ここから、何とも楽しい、アンプ改造が始まった。







取り説もなければ、回路図もない。


取りあえず、裏ブタを開け、中を覗いてみる・・・

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スッキリ、基板にまとめてあるようだが・・・

回路を追って見ていくと、
①出力のKT88は固定バイアス
②UL接続
③初段、位相反転・ドライバ段は6N1のムラード型
④プレート電圧は480Vを超えているようだ
等々が分ってきた。

まず、自己バイアスに変えなければ、余程揃った球を使わないと危険この上ない。

と、固定バイアス化を始めたが、初段、位相反転・ドライバ段も回路を追っていくだけでは
心もとなく感じて来た。


そこで、思い切って、初段、位相反転・ドライバ段も作り直すことにした。

改造にあたって、「管球王国」43号の上杉佳郎氏設計のTAP29を参考にさせていただいた。

回路構成は同じとしたが、出力管は一度使いたかった、6550(3結/UL接続)プッシュプルとし、
初段12AU7、位相反転・ドライバは手持ちの5963(12AU7コンパチ)を使うことに。



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オリジナルのPCBを外し、初段、位相反転・ドライバ段のソケットを交換した。


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出力段の6550を固定バイアス化、抵抗はWEの巻線型可変抵抗器を使った。


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電源回路の配線。トランスの関係で電圧が高すぎ、落とすのに四苦八苦・・・


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初段、位相反転・ドライバ段の配線。


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配線終了。




旧正月の休みを挟んで、あーでもない、こーでもないと、小改造、調整を重ねた。

特に電源周りは、トランスの唸りと2次側電圧の高すぎのため、トランス交換まで
エスカレートした。

紆余曲折はあったが、最終的にこうなった・・・



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                       改造前



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                       改造後



3結とUL接続の切り替えも可能だが、試聴の結果、圧倒的に3結が良かった。


最終仕様は
6550(3結)プッシュプル
初段:12AU7パラ
位相反転・ドライバ:5963
出力管:6550pp 自己バイアス
プレート電圧:400V
出力管バイアス電圧:35V
整流回路:ダイオード両波整流
平滑回路:RC型

最大出力:多分13~15W




試聴の結果は・・・・




もう散々言ったから、止めておこう・・・






手前味噌ながら、なかなか良い音で鳴っている・・・



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替えたトランスがデカ過ぎてカバーが出来ないが・・



おっと、最後にひとつだけ難点が・・・・・、夏は使いたくないだろうなぁ・・・





                                   6550ppアンプ改造顛末記・・おわり
by jbl375jp | 2009-02-16 22:29 | やっさんのシステム
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